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一 小学校における教育の目標をなお十分に達成して、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと。
二 社会に必要な職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。
三 学校内外における社会的活動を促進し、その間条を正しく導き、公正な判断力を養うこと。

 

また、法律的には、平成6年に施行された環境基本法の中に「環境学習の推進」としての項目が明記されるに至っている。
そして、現在小中学校で行われている環境教育の多くは、各教科のカリキュラム指針である学習指導要領から意識ある教員が個人の責任の範囲で環境教育的要素を見いだし、実施されているにとどまっているのが現状である。また、学習指導要領に付随して、環境教育の推進を促すために、平成3〜4年には「小中学校・高等学校環境教育指導資料」が文部省より発行され、平成7年には「環境教育指導資料(事例編)」が同じく文部省から発行されているが、既存の各科目のカリキュラム編成の中に、いかにして溶け込ませていくかの指針が不十分で、環境教育が理想的な形で広く実施されるに至っていない。
この他、近年、各自治体等でも環境教育指導資料や副読本が相次いで発行されているが、現状として、それらの取り組みは、日本における環境教育の効果的かつ効率的な取り組みに結びついているとは言い難い。その理由としては、日本における環境教育の認識が「持続可能な社会づくり」を踏まえていないことが挙げられる。またこれに関連することとして、日本の教育界における環境教育に関する認識の問題点としては、「各教科内への環境教育の有効な導入方法を見いだすことができない」、「各教科を横断した環境教育カリキュラムを作成できない」、「学年を縦断する体系だった環境教育が実施できていない」の3点にまとめられる。また、ハード面での整備として、学校ビオトープや各地域でのネイチャースクールの整備促進等、環境教育推進に向け様々な課題を残していると言えよう。
今後、日本としては、より活発な情報提供や教員環境教育研修の場を設けると共に、やはり諸外国と異なり強力な指導力をもつ学習指導要領の中に、独立した科目ではないにしろ、環境教育の位置づけを確定させることが日本の環境教育の飛躍的な発展につながると考えられる。

 

 

 

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